お役立ちコラム

心理検査・WISC-5の結果をどう活かす?「分かった」で終わらせず、生活につなげるために


「WISC-5を受けたけれど、この結果をどう使えばいいのか分からない」

WISC-5(ウェクスラー式知能検査)などの心理検査を受けたあと、
多くの保護者の方が、こんな気持ちを抱えています。

  • 数字や指標の説明を受けたが、正直よく分からなかった
  • 凸凹があると言われたが、家庭でどう関わればいいのか分からない
  • 学校に伝えた方がいいのか迷っている
  • 検査を受けたことで、かえって将来が不安になった

実は、
検査そのものよりも「検査のあと」で困るご家庭はとても多いのが現実です。


WISC-5は「診断をつけるための検査」ではありません

WISC-5は、
ASD(自閉スペクトラム症)やADHD(注意欠如・多動症)などの
診断を決めるためだけの検査ではありません。

WISC-5で分かるのは、

  • どのような情報の受け取り方が得意か
  • どの場面で負荷がかかりやすいか
  • どんな方法なら力を発揮しやすいか

といった、
その子なりの「考え方の特性」や「学び方の特徴」です。

つまり、
WISC-5は「その子専用の取扱説明書」をつくるための検査とも言えます。


数字を見るときに、いちばん大切な視点

WISC-5の結果を見ると、
どうしても「平均より低い」「平均との差」といった数字に目が向きがちです。

ですが、支援の視点では、

  • 数字の高低そのもの
  • IQの数値

よりも、

  • どの指標の組み合わせで困りが起きているか
  • 生活のどの場面とつながっているか

を読み取ることが重要になります。


よくある誤解①

数値が低い=できない、ではありません

たとえば、

  • ワーキングメモリが低め
  • 処理速度がゆっくり

といった結果が出ると、
「勉強ができないのでは」と心配になることがあります。

でも実際には、

  • 視覚的な手がかりを増やす
  • 一度に求める量を減らす
  • 考える時間を確保する

といった環境や関わり方の調整で、
大きく楽になるケースも少なくありません。


よくある誤解②

凸凹は「直すもの」ではありません

WISC-5では、
指標間の凸凹がはっきり出るお子さんも多くいます。

ですが、発達支援の考え方では、

  • 凸凹をなくすこと
  • 苦手を平均まで引き上げること

がゴールではありません。

むしろ、

  • 得意な力をどう使うか
  • 苦手な部分をどう補うか

という 「使い方のデザイン」 が支援の中心になります。


WISC-5の結果を「生活に活かす」とはどういうこと?

検査結果を活かすとは、
新しい訓練を増やすことではありません。

たとえば、

  • 口頭での指示が入りにくい → 視覚的な提示を増やす
  • 情報処理に時間がかかる → 量・スピードを調整する
  • 切り替えが苦手 → 予告や見通しをつくる

といったように、
日常生活や学習環境を、その子に合う形に整えることです。


なぜ、家庭では検査結果が活かされにくいのか

多くのご家庭で、
WISC-5の結果が生活に活かされない理由があります。

  • 結果が専門用語のまま渡されている
  • 学校・療育・家庭で情報が分断されている
  • 親が一人で解釈し、抱え込んでしまう

その結果、
「分かったけれど、何も変わらない」状態になりやすくなります。


訪問看護だからできる、WISC-5の活かし方

ショートケーキ訪問看護ステーションでは、
WISC-5の結果を家庭という生活の場に落とし込みます。

  • 朝の支度
  • 宿題の場面
  • 切り替えが必要なタイミング
  • 親子のやりとり

を実際に見ながら、

  • どの特性が影響しているのか
  • どこを変えると負担が減るのか

を一緒に整理します。


学校との連携にもつなげることができます

WISC-5の結果について、

  • 学校にどう伝えればいいか分からない
  • 伝えたが、うまく共有されていない

という声も多く聞かれます。

訪問看護では、

  • 検査結果のポイント整理
  • 学校に伝えやすい言葉への変換
  • 必要に応じた連携のサポート

も行っています。


診断がなくても、WISC-5の結果は活かせます

  • 診断はまだ受けていない
  • 診断を受けるか迷っている

そんな段階でも、
WISC-5の結果をもとにした支援は可能です。

診断の有無よりも、
「今の生活で何がつらいか」が支援の出発点になります。


結果を見て、つらくなってしまったときは

検査結果を見て、

  • 悪いところばかり目についてしまう
  • 将来が急に不安になった

そんな気持ちになることもあります。

それは、
親としてとても自然な反応です。

結果を一緒に整理する人がいることで、
見え方は大きく変わります。


WISC-5は「受けたあと」がいちばん大切です

WISC-5は、
受けたこと自体がゴールではありません。

  • どう関わるか
  • どう環境を整えるか
  • どう本人を守るか

ここにつながってこそ、
検査の意味があります。


まずは、結果を一緒に整理するところから

「この結果、どう活かせばいいんだろう」
「誰に相談したらいいか分からない」

その段階からで大丈夫です。


関連ページのご案内

訪問看護でも、発達支援(=療育)が受けられることをご存じですか?
初めてでも安心|サービス開始までの流れ
こんな状態なら、一度相談してみてください


最後に

WISC-5は、
子どもを評価するための道具ではありません。

子どもと家族の生活を守るための道具です。