生活から支援を組み立てるということ―― ショートケーキ訪問看護ステーションの支援の考え方 ――
支援がうまくいかない理由は、「生活」と切り離されていることが多い
発達支援や子育て支援の現場では、
評価や訓練、プログラムが重ねられてきました。
それ自体は大切な取り組みです。
しかし一方で、次のような声も多く聞かれます。
- 支援の場ではできているのに、家ではうまくいかない
- 理解は進んだはずなのに、生活の困りごとは減らない
- 「どう関わればいいか分からない」状態が続いている
この背景には、
支援が生活の文脈から切り離されて設計されている
という問題があります。
子どもも、保護者も、
困りごとが表れるのは「生活の中」です。
だからこそ、
ショートケーキ訪問看護ステーションでは
生活そのものを起点に支援を組み立てる
という考え方を大切にしています。
行動は「問題」ではなく、「結果」として捉える
癇癪、切り替えの難しさ、不登校、強い不安。
こうした行動は、
「本人の性格」や「努力不足」として扱われがちです。
しかし実際には、
- 感覚的に過負荷になっている
- 情報の伝わり方が合っていない
- 先の見通しが持てていない
- 周囲との関係性が緊張している
といった条件が重なった結果として表れていることが多くあります。
ショートケーキでは、
行動を修正する前に、背景を整理することを重視します。
「なぜ今、この行動が起きているのか」
その問いから支援を始めます。
環境を調整することも、立派な支援
支援というと、
「本人に何かを教える」「訓練する」ことを想像されがちです。
しかし生活の中では、
- 物の配置
- 情報の量
- 声かけのタイミング
- 一日の流れ
といった環境の影響が非常に大きくなります。
環境を少し調整するだけで、
- 混乱が減る
- 行動が安定する
- 親子の衝突が減る
といった変化が起きることも少なくありません。
ショートケーキでは、
「頑張らせる前に、楽になる余地がないか」
という視点で環境を見直します。
子どもと養育者を、切り分けない支援
家庭では、
子どもの困りごとと同時に、
養育者の疲労や不安も積み重なっています。
- どう関わればいいのか分からない
- これで合っているのか不安になる
- 周囲に相談できず、孤立してしまう
こうした状態では、
どんなに良い支援でも継続が難しくなります。
ショートケーキでは、
養育者を「支援の協力者」ではなく、「支援の対象」として捉える
ことを大切にしています。
養育者が少し楽になると、
子どもを見る視点にも余裕が生まれます。
生活は、常に相互に影響し合っています。
検査や評価は、「翻訳」して初めて意味を持つ
WISC-5などの心理検査は、
子どもの認知特性を理解するための重要な手がかりです。
しかし、
- 数字や指標の説明だけで終わってしまう
- 日常生活とどう結びつくのか分からない
というケースも少なくありません。
ショートケーキでは、
検査結果を生活の言葉に翻訳することを重視します。
- 家庭で何に配慮すればよいのか
- 学校でどう共有するとよいのか
- 無理を減らすために何を変えられるのか
「分かった」で終わらせず、
生活に落とし込むところまでが支援だと考えています。
なぜ、訪問看護なのか
家庭には、
外来や通所支援では見えにくい場面があります。
- 朝の支度の混乱
- 兄弟関係の難しさ
- 疲れが一気に出る時間帯
- 誰にも見せていない我慢
訪問看護は、
生活の現場に直接入ることができる支援です。
そのため、
- 家庭ごとの違い
- タイミングの違い
- 関係性の違い
を踏まえた、
オーダーメイドの支援を組み立てることができます。
ショートケーキが目指している支援
ショートケーキ訪問看護ステーションが目指しているのは、
- 正解を提示すること
- 理想的な子育てを求めること
ではありません。
- 生活が少し回りやすくなる
- 関係が少し柔らかくなる
- 明日を迎えるハードルが下がる
そんな現実的な変化を積み重ねていくことです。
最後に
支援は、特別な場所だけで行うものではありません。
支援は、生活の中でこそ意味を持ちます。
ショートケーキ訪問看護ステーションは、
生活から支援を組み立てるという考え方を軸に、
子どもと家族に寄り添い続けます。
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